AMH(抗ミュラー管ホルモン)
抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、女性の卵巣予備能を知る指標になると考えられています。
卵子は胎児期に約700万個まで増え、生まれた時には約200万個まで減少し、生殖器にはその10分の1の20〜30万個になり、1ヶ月約1000個ずつの割合で確実に減少します。
AMH濃度測定により、現在の卵巣の予備能を推定し、卵巣年齢が何歳くらいか推定することができます。
AMHは以下の要因によって変化します。
低下:ピル使用中、ビタミンD低下、男性ホルモン低下、黄体後期、25歳以上
増加:FSH/hMG使用、ビタミンD増加、男性ホルモン増加、月経中、25歳未満
AMHが低いと、自然排卵が起こりにくいだけでなく、排卵誘発に反応しないことが多くなります。
現在の卵巣予備能を知ることによって、適切な排卵誘発法を選択することができます。
AMHは卵子の質を評価することはできません。
AMH=妊娠率ということではありません。不妊治療をできる期間が限られてくるということを示しています。
以下の方は特に検査をお勧めします。
- 卵巣手術の既往、チョコレート嚢腫がある、月経不順など
- 母、姉に早発閉経(40歳未満で閉経)の人がいる
- 卵巣予備能が気になる
- 体外受精を予定している
AMH検査は自費検査になります。体外受精を予定している方は体外受精施設でご相談ください。
産婦人科専門医 生殖医療専門医 女性ヘルスケア専門医
小谷 早葉子